《 小説・ドラマ『仮想儀礼』講座 練心庵》に参加してきました。
このブログ記事は、企画して頂いた釈先生へ御礼の意を込めて、(参加された方の特典をお得感を残しつつ)書ける範囲で、ドラマファンの方へ向けて、また当日参加したくとも出来なかった方向けにレポートします。
まずドラマをご覧になっていない方に向けて、配布資料としてあらすじと登場人物キャスト紹介の資料を元に、釈先生から紹介で講座が始まる。あらすじを紹介するだけで、最初は滑稽な筋書きである。
ここから先生の原作小説について考察
2008年に篠田節子さんの書いた小説です。柴田錬三郎賞受賞されています。
小説発表された頃の時代背景には、アメリカ9.11同時多発テロ事件がある。
小説の中にある言葉「これからは宗教の時代です。世界は変わりつつあるんです。実業の象徴、ワールドトレードセンターが、虚業の象徴、宗教によって壊されたんです。信仰という商品を売る第四次産業、 それが宗教だ」
これは厳密に言うと「それが宗教だ」というより、「宗教教団だ」ですね
この練心庵での講座で皆さん宗教について勉強してきました。宗教の範囲は非常に広い大変大きい。その中に宗教教団という領域です。
宗教法人を立ち上げる要件も小説にあり、ドラマでも語られているシーンがある。
それを元に昨年11月から今年の2月までNHKドラマが制作されました。
このドラマでは、小説には無かった「宗教二世問題」「政治と宗教」も加わってきます。
このドラマで、面白いのは、
【真っ当なサービス業としての宗教教団は成り立つのか】
この視点は大変面白いと思いますね。と釈先生
なぜ当時次々と宗教事件がおこるのか
そんな宗教にはならないと教祖宣言する
真っ当なサービスとしての宗教は成り立つのか
そうはいかないという所を描いているのが、この小説の良くできたところです。
ドラマで主人公は、あくまで常識的な宗教を目指す。
除霊とか、奇跡を我慢し、純粋にサービス業としての真っ当なサービス業として宗教を目指す。
ドラマで、信者の相談事に、教祖の桐生慧海は、元都庁職員という経歴もあり、
「市役所の窓口はこうですよ」福祉や医療サービス、社会の制度を知らない方向けのアドバイスをする。
けれども
宗教は社会からはみ出してこそ、宗教です。
常識的な宗教では存在意義がないんですよ。
社会サービスの方がずっと公平なわけです。
だから社会サービスの枠内で宗教を運営しようとしても
やってくる人はそれを求めていない。
社会に居場所がないからやってくるので
家庭に居場所がないからやってくるので
社会とは違う価値と、家庭とは違う価値がそこに提示されないと宗教
教団として立ちいかなくなってくる。
だからドラマではまさに
だんだんと、どんどん密教が重要なポイントになってくる
だんだんこう密教色を強くしていく
行かざるを得ない。
※(釈先生がキリっと表情を変えながら)
そうなんですね。あの方向に(密教化)誘導されゆく
自分たちが作ったものでありながら
当初は意図的に動き出しても
誰もコントロール不可に、、、
このあたりの描き方がですね
大変まあよくでている。
宗教について考えさせられるというところ
そういう風に思います。
こういう小さなサークル的教団だって
大きな教団、宗教事件と同じパターンを持っている訳で
世界的な宗教の縮図でもある。
だから部分と全体は総じて
フラクタルの構造に描かれています。
良くできていると思います。
それを元に作られたのがこのドラマ。
ここでホワイトボードの人物相関図を元に登場人物の説明、画像でキャスト紹介
キャスト紹介の最後に、先生がこそっとドラマに出たシーンを映され、
(一同爆笑)
撮影現場に見学に行かれた時に
プロデューサーさんから、「釈先生出てください」とその場で言われたそうです。
釈先生「最初見ていたら、コミカルなドラマって思った方多いでしょう
あるいは、なにかピカレスクロマン的な、悪い奴がお金儲けする話しかって
(実は) プロデューサーさんが、どんどん展開が変わる話が好きな方でして
正彦と誠のバディもの、あるいはBLの香りも少しする良くできたドラマで
(他に)あまりないのではないでしょうか」
(ここでゲストのドラマプロデューサーお二人の紹介)
テレビマンユニオン高城朝子さんとNHK制作統括の勝田夏子さんご紹介
小説をドラマにしようと思った経緯から、実現にいたった経緯のご説明
(高木朝子さんより)
この小説を読んだのはかなり前で、(小説に興味が)私の中で宗教ってあまりいいイメージがなかったんです。
子供の頃オウムの事件があり、宗教は怖いと、けれどなぜ人は宗教に惹かれるのか、
世界中の人はなぜ、宗教を信仰するのか、
日本人はだけ、なぜ無宗教っていうのだろうか、
そういう不思議なところが一杯あって、篠田先生の小説を読んで、
前半面白いが、後半怖くなってきて、一旦途中でやめ、
ドラマを作る仕事になって、怖がらず改めて、読んだら面白くて、
すぐ企画書を書いたんです。それが5年前ぐらいで、
企画書をいくつもの放送局に出したら、すべて振られまくったんです。
宗教はテレビでできないよ、スポンサーつかないよとかで
宗教(のドラマ)をテレビで見たことないよね、というので
振られてしまい、そうなんだと、、思って
(けれどドラマにしたいという思いが強く)
そしたら、安部元首相の事件があって(旧統一教会と宗教二世の問題とか次々)
今だったら!それもNHKでなら!
NHKには、制作会社が参加できる、企画募集があり、そこに応募して通った企画です。
審査では、なぜ今この企画をやるのか、毎回問われるという
今やらないとけないと、はっきり言える題材ですので、
NHKの編成の方も、(これは)今やらなきゃいけない。とういう事で通して頂いたそうです。
私は制作会社の人間で、面白くする為に色々考えるけれども
(実際放送するにあたり)特定の宗教教団を傷つけないとか、
それを信仰している方に失礼がないかどうかを本当に細かい所を
NHKの勝田さんと釈先生にチェック頂くという作業が大変でした。
釈「NHKの勝田さんが引き受けてくれて今回ドラマ化されました。
勝田さんはこの企画上がって来たときは、どんな感じでしたか」
(勝田夏子さんより)
「実は原作出た当初にたまたま読んでいたんですが、これはテレビでできないでしょと企画書もですね、原作をそのままドラマにする企画では出来ないと高木さんの企画書が良く出来ていて、最初コミカルにだんだんとサスペンス、ミステリーになっていくという
というやり方、このやり方次第じゃないかと思ったんですね
釈「ドラマ監修するにあたり、最初にお二人に話したことですが
宗教に対する敬意と畏れ
そしてドラマの中で、篠田さんの小説の中に出てくる
素晴らしい一文、とかセリフ台詞があるので、
ドラマ化映像化する中で、所々にちりばめて
宗教について深く考えさせられたり
宗教の本質にバーンとアプローチするような
台詞を出してくださいと、最初お願いされたとの事
(ほー、なるほど、確かに脚本の方も、それに見事にこたえておられ、所々、ハッとさせられる素晴らしいセリフがありました)
釈「制作で苦労したことはありますか?」
勝田さん「宗教をばかにしない、傷つけない、特定の宗派や教団を連想させない工夫です。
インチキ宗教なので、修行や儀礼をちゃんぽんにする、特定の宗派に偏らないように
チベット密教がベースですけど、そこから、
いかに”ズラすか”それを釈先生と相談して
すすめて、
また、専門分野の方々アドバイザーの方々に聞いて
ズラす、正しくずらすというか、これは冒涜してないですかと、
宗教考証して頂きました。
もう一つ宗教とは別のレベルで、話していたのは、何かに救いを求めるとか
何かにすがりたい気持ちというのは、誰にでもあると思うのです。
特に今みたいに社会のセーフティーネットが壊れている時代。
すがりたい救われたいと思う人がいっぱいいるはずなので、
今の社会の姿みたいなものが、宗教を出すことでどういうことを、皆が抱えて困っているのか。みたいな事が、ちゃんと反映されているドラマにしたかったとの事です。
そして、宗教をテーマにする事は、(今まで)ドラマではタブーと思い込んでいた(思い過ぎていた)との事。
釈「ドラマの映画もヨーロッパアメリカでは宗教を題材にしたもの沢山あるに、日本では極端に少ないですよね」
(今回ドラマのように、宗教テーマモノは、やり方次第ではないかと私も考えます。)
実際、NHKに大きなクレームとか苦情とか、小さいものはあったが、今回ほぼゼロだったそうです。
※漫画や小説の原作者と、ドラマ化、映画化について、昨今取りざたされている問題については
小説には書かれていない、「政治と宗教」や、「宗教二世問題」をドラマテーマに加える事に関して、原作小説の方はどう思われていましたかと釈先生より問いかけ
小説で原作者の篠田節子さんは、時代背景も違うので、是非アップデートしてください
という太鼓判をドラマ制作者との打ち合わせで頂いた、オッケーもらえました
と仰ってました。
(おおードラマファンとしてはこれが聞けただけでもよかった!!!!!!)
このほうが、(現在の時代背景的に)全然面白いから、面白くしてくれて有り難うってご褒美のような言葉まで原作者の篠田先生から頂いたそうです。
(この言葉で苦労が報われたでしょうね。いい話)
いざドラマ始まるとSNSで大いに話題になって、釈先生もドラマの評判をチェックして、
NHKドラマ攻めてるなーとか、SNSのコメントに良く見てるな、詳しい方いるな、とか感心されて、その広まり方に
先生も宗教について知ってもらいたいと寺子屋練心庵も開いて、色々活動されてきたが、
一般社会に宗教について学ぶ・伝えるにあたり「この手があったかー」と痛感されておられました。
以下制作の裏話トピック
!!ネタバレになるので未見の方御注意!!
・教祖の服装は(小説では細かく書かれていない点で、色々検討されたそう)白だとオウム真理教を連想させるから、似ないよう工夫。特定の宗教を連想させないよう配慮される。
・教団のロゴマークとかもかぶらない連想しないように小さな宗教教団のロゴマークも、ホームぺージを検索してチェックされたとか、(ドラマ聖泉真法会は漢字表記ベースになる)
・スーパー「モリミツ」の社長が、仏像のほめるシーンに、どう褒めたら良いですか?釈先生にアドバイス問う「いい御尊顔ですねー」と釈先生がアドバイス
・霊感商法だと特定の教団を連想するから「霊感ビジネス」に
・登場人物、増谷哲成の”哲成てつなり”は、釈先生が命名、真言宗のイメージから命名(笑)。原作は増谷という性のみ
・合掌の仕方、荘厳配置、礼拝、読経の仕方を監修
教祖は、このような唱え方で、実演を小説だと文言だけで表現されている所を、描くのに例えば読経の唱え方とかを実際の役者さんにしてもらうに釈先生アドバイスされ、実際に読経を先生が吹き込んで、その実演録音を送ってアドバイス
・釈先生は小説を何度も精読されて、教団の教義まで考えられたとか
・例えば鳥居は、くぐらない、じゃれあいながら歩く、ドラマのキーポイントの隠れた符牒になっている。前半に隠れたヒントみたいなシーンが色々出てくる
・小説は登場人物が多いので、ドラマ化にあたり登場人物を整理されている
・伊藤真実、ニュートラルな存在、山本広江、社会とつなげる存在、良心
・イエスの箱舟事件等、2008年の小説の時代背景
・大東さんは、アドリブの多い役者さんで、仏像の頭をなでる演技に対し、それはやめときましょう、タイの仏教では(戒律的に)良くない行為とされる。
・岸監督の意見が反映され、青柳さんを抜擢された(とある舞台でのお姿から)
・最後の山のシーンは、年始1月4日から1週間山に登って撮影されていたとか
・合掌の演技について、仏教の蓮華合掌をアレンジした形
・ドラマ音楽は、(映画ドラマ音楽数々手がける、映画レッドクリフなど)著名な岩代太郎氏で、木魚や宗教の鳴り物も、4話までは、とことんコメディにふって、音楽も、コミカルにと依頼
・練心庵では、○○でおなじみ(私の口から言えません)久坂部羊先生
小説『破裂』(はれつ、RUPTURE)もNHKドラマ化され、制作統括は勝田夏子さん
・ドラマ監修であるが、何にも似ないように監修するという、通常と真逆の特殊な監修になったと釈先生
・教祖役の正彦を愛せる人にして下さいとだけ、脚本家に要望リクエスト。脚本家の方が素晴らしいのでおまかせした。本当に見事に人物化された
講座最後に参加者質問コーナがあり
ドラマファン仲間の代表の若い方も緊張されながら質問。最初に手をあげ、その真剣さに感動。
カルトについて質問も出て、釈先生からカルトと非カルトの線引きは、専門家でも、難しい。いくつか要件がある(訴訟をかかえている教団等)
私も島森麻子が、最後恵法三倫会に戻るところが、リアルな感じ。一度、信仰を捨てるが、捨てられない。抜け出すと、焼け野原に放り出された感じという表現。カルトの恐ろしさを感じました。
(まとめ)個人的な感想です
純粋にエンタメとして素晴らしい(小道具や、劇中劇の場面や細部まで凝ってある)
10話の構成、持っていきかた。展開が、ドラマの粋を超えもはや映画レベルの作品。
楽しんいるいる内に、深いところ到達する、名シーン名演技により、真実に出会える。(嘘から出た真実!)そんなドラマです。
まだの方はNHKオンデマンドで一話220円でみれるとか。(結局宣伝かぁ、いえリベートは頂いておりません。ただのファンです)
NHKオンデマンド、ドラマ仮想儀礼リンク先
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もちろん地上波再放送を希望します。
10話まで見て、もう一度1話から見ると(再発見が多く)2巡目が楽しめるのが、このドラマの凄い所です!
以上、最後までお読みくださり有り難うございます。
それでは、あなたもドラマ仮想儀礼を見て、新たな扉を開けてみてください。合掌